クリスティン・アシュリーさんの短編(といっても、206ページもある)。
KAさんの邦訳本の文章(および内容)がいつもぶっ飛んでいるので、原文はどんなものかなという好奇心から手を出してみました。ただし、邦訳されている作品は、ページ数が多いものばかりなので、手始めに短編をセレクトしてみました。
中学校で習ったような易しい英単語ばかりなのに、文章とくに会話文の意味が全然わからず、とても苦戦しました。一文は短いのに、do や go や get が何を指すのかさっぱりわからない。というか、短すぎて、わからない。それはきっと、いろいろな語彙が省略されているからだと思いました。しかもヒロインのセリフは訛っていて(アメリカの女子はこんな喋り方をするのかなという雰囲気を楽しめました)、辞書で調べても出てこない。でも、英語がわかる方には理解できる文章なので、感覚の問題なのかな、慣れれば私にも理解できるようになるはず、というきもちでどんどん読み進めていきました。ラストあたりでは、なんとなく感覚で意味がつかみ取れるようになっていて、しかも、もっとこの文章を読んでいたいと思ってしまう自分がいました。読んでよかったです。
読書期間:5/29~5/31
所要時間:約7時間
ページ数:206
短編(といっても207ページもある)。デイジー(ストリッパー)は毒親に育てられたせいで自分の中にお城を作り壁を築いて生きてきたレイプ被害者。デイジーにひと目ぼれしたマーカスはKAのいつものアルファ・メイル・ヒーロー。大量の花(デイジー)を毎日送りつけ、デートに誘い、断られても自信満々に誘い続ける。そんなマーカスに根負けしてディナーに応じて酔っ払って毒親に育てられた話をすると、「君はそのままで素敵だ」「君はぼくが35年求めつづけてきた女性だ」などというようなことを何度も言われて、徐々に心の壁が崩れていく。ラストはKA作品特有の結婚衣装(靴の描写多し)と夢みていた以上のゴージャスなお城を与えられて、本物のお姫さまになりました(白馬の王子さま付き)。というお話。イマドキ女子のアメリカンなトーク調心情描写が繰り広げられるいつも安定のKA作品でした。内容はいたって普通。なのでKA作品は文体が魅力なんでしょう。リズミカルで口語調の独特な文章はきっとネイティブレベルの英語力の方にはとても楽しいのでしょうけれど、英語力が無い自分にはとても大変でした。