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ダーク系ロマンスの最高峰、ペッパー・ウィンターズ先生のTHE DOLLAR シリーズ3作目!
ついに!待ちに待っためくるめくロマンスの波が押し寄せて来ましたー!
暗闇の中できらめくロマンスが煮えたぎってロマンスから溢れんばかりの怒濤のロマンスの波となってやってきました。このために1~2作目の試練があったのですね!ダークだけど甘いブランデー入りチョコレートの波に飲み込まれて息ができません。(もはや何をいっているのかわからないけど興奮して熱くなっていることをご理解ください)
さすがペッパー先生です。
このシリーズの1作目が至上最高にダークで衝撃的な内容でメンタルを抉られたので、恐る恐る読み進めているシリーズなのですが、3作目はダーク系ロマンス特有の深度のある甘さが目一杯詰まった作品となっていました。
ひとことでいえば、これぞダークロマンスの醍醐味!!という感想です。


まず、このブログの趣旨である英語の読みやすさについて。
久しぶりに読んだペッパー先生の英語は全体的には読みやすかったです。けれど、たまに見慣れないダーク系文芸寄りワードに遭遇するため、1ページあたり数回の頻度でKindle内蔵辞書を使いました。

読書期間:2018/10/16~2020/1/9
読書時間:13時間
ページ数:300

このシリーズは1作目が心身共に痛みを伴うほどの衝撃的内容だったので、途中で何度か休憩を挟んで読んできたのですが、それでも読むのを止めることはできない吸引力があるんです。
ロマンス小説で定番のトーチャード・ヒロインとは一線を画す最強のトーチャード・ヒロイン(ピムリコ)に不思議と心惹かれますし、彼女の前に現れた救世主エルダーのかっこいいこと!!

2作目ではピムリコのトラウマを癒やそうとして四苦八苦するエルダーの姿にきゅんきゅんしましたが、エルダーの四苦八苦の心理描写が長すぎて、エルダーだけでなく読者も一緒に疲弊してきました。
普通の作家さんはこんなにも心理描写を長く書かないですよね。あまりにも長すぎて読者が疲れちゃうから、編集さんが「長すぎる!ここ全部削って!こんなんじゃあ売れない!ここも、もっと短くして!クドい!」と言うはずです。
実際に海外レビューには、そのような指摘が散見されます。
けれど、ペッパー先生はそんな批評家レビュアーの意見などにはどこ吹く風で、ご自身の思うがまま感性のまま、ぶれずに書き続けてらっしゃるような気がします。その潔さが好きです。ファンです。(話が脱線しました)

2作目で感じたこのようなペッパー作品の特徴のひとつ(クドい心理描写)が功を奏して、3作目では素晴らしい深みのあるホットシーンを作り出していました。クドすぎる心理描写に読者はいつの間にか心を絡め取られ、ピムとエルダーと一緒に闇に落ちていくのです。

ロマンス小説の世界では、じわじわと時間をかけて恋を育んでいくストーリー展開のタイプを「Slow
Burn(スロー・バーン)」と言うそうですが、この作品はスロー・バーンの中でも最強のスロー・バーンだと思いました。というか、バーンしすぎて低温火傷して、さらに、こじらせて焦げかけてます。

ピムとエルダーとともに、読者も心を低温火傷しながら3作目に入り、エルダーの心の闇が垣間見えるようになってきた時点ですでに読者としてもこのストーリーの闇にどっぷりと浸かってしまっていましたので、心の火傷がどんなに痛くても抜け出すことができないんです。その状態で、闇の中で交わす愛の行為の描写がまた長い長い。じんじんと響きます。
まるでセラピーを受けてるみたいだと思いました。
暖炉の前に座ってセラピーを受けてるみたいにじわじわと胸の奥の何かがほぐれます。
ロマンス小説だけでなく、さまざまな小説をいままで読んできましたが、こんなにも効果的なセラピー感覚を味わえる作品をほかに知りません。巷に溢れるヒーリングサロンに行くよりも効果的。これぞダーク系ロマンスの醍醐味で、ペッパー・ウィンターズ作品の凄さだと思いました。

何をいっているのかわからない感想になっていますが…大雑把なあらすじ備忘メモを書いておきますと…

エルダーのおかげでトラウマを克服して、まるで開花するように魅力的になっていくピム。
それに対して、完璧な紳士だと思われたエルダーにはじつは大きな秘密(○○○障害)があり、ひそかに苦悩していました。ピムを助けるという形を取りながら自分はピムを監禁した男と同じことをしているんじゃないかと。自分には女性を愛することは出来ないんじゃないかと。苦悩しながら愛を告白するシーンはもう最高で、苦悩の末に自らの○○を封じ込めるためにとった行為がまた萌え萌え設定で。そう来たか!!と感動をおぼえました。
ペッパー作品の展開はいつもホントに予想斜め上にいくので、驚かされっぱなしです。サスペンスも事件も起こらないのに、ドキドキワクワクが止まらない。
シリーズ中で今作は、あれ?これってエロチカだっけ??と思っちゃうくらいHOTシーンが多くて、それでもやっぱり絶対にエロチカではないと思わせられる純愛もので、いろんな方向に心が大きく揺さぶられるラストがまた感慨深かったです。

ちなみに、エルダーには日本人の血が混じっていて、「Okaasan」「Chinmoku」というワードを多用していて、日本人読者としては嬉しいやらくすぐったいやら。(ペッパー先生は遠藤周作の作品がお好きなのでしょうか…笑)


予想がまったくできない4作目に進むのがコワいけど…止められないです…!
来月にはペッパー先生の新シリーズも開幕する予定で、それが未だかつて無い超ダーク作ということで、楽しみでたまりません。
詳しい情報はまだ解禁されていませんが、多分またペッパー先生お得意のダーク系「売り飛ばされて監禁ロマンス」のようです。ぶれない。